はい、というわけで、今話題の生成AIと著作権の問題について触れていきますか
これはねぇ……燃えるよね……
カエルくん(以下カエル)
炎上したいわけではないけれど、なかなか難しい問題だからねぇ
主
感情的には反対する人の気持ちもわかるけれどね
カエル「先に言っておくと、うちはAI賛成派……というよりも、積極的に活用して行こうとしていて、そして運用を開始しているような状況となっています。
ここ最近、ブログのレイアウトがガラリと変わったと思う方もいるかも知れませんが……AIくん、特にChatGPTくんが整えてくれました」
主「まだまだ使いこなしているとは到底いえないレベルだけれど、でも毎日活用していると、これほど便利なものはないな。
いずれはブログ自体もAIくんに任せるか」
カエル「こら!
それだけは絶対にやらない約束でしょう!」
主「はい、てなわけで、初めていきますよー」
著作権について
文章では難しい著作権侵害の証明
AIとの距離感については、同じ表現をする人でもグラデーションがあるのでは? ということだよね
特に絵描きの人が根強い印象だな
カエル「うちは文字書きだからこそ、諦めたってところはあるよね」
主「だって、文章の盗作とかって、著作権の侵害に対する立証が難しいからね。
もちろん著作権侵害の例はあるけれどさ、文体には著作権はない。だから村上春樹風に『ボクは著作権について考えた』みたいな文章を書いたとしても、それは著作権侵害にはならない」
それが村上春樹風なのかはとりあえず置いといて、現在の著作権法では文体、画風、アイディアは保護されないんだよね
ここで著作物の定義を確認しよう
「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」
(著作権法 第二条一)
ここら辺が、とても判断が難しいんだよね
カエル「とてもわかりやすい例で言うと、これから挙げるような文章はNGになります」
犬「はい、というわけで、今話題の生成AIと著作権の問題について触れていきますか」
猫「これはねぇ……燃えるよね……」
犬くん(以下犬)
「炎上したいわけではないけれど、なかなか難しい問題だからねぇ」
猫さん
感情的には反対する人の気持ちもわかるけれどね
これは冒頭の会話を犬と猫に入れ替えただけだね
カエル「これは明確に著作権法違反になります。うちのブログの冒頭の文章を=著作物をコピーしているわけで、カエルと主を犬と猫に変えただけなので、この文章は『思想又は感情を創作的に表現した』とは言えません。
ブログのコピー問題って結構前々から普通にあって、知り合いも被害を受けています。うちは特殊なのであまり被害に遭っていませんが、当然明確な著作権法違反です」
主「一方で難しいのは……例えばキャッチコピーかな。下に炭酸飲料と仮定して、3つのキャッチコピーを考えてみた」
A めっちゃ美味いぜ!カロリーオフ!
B 糖質ゼロなのにこんなに美味しい!
C 弾ける美味しさ、糖質オフ
この3つの文章は、全部同じことを言っている
カエル「ふむふむ……内容は全く同じだね」
主「だけれどさ、商品のキャッチコピーで美味しい、カロリーが少ないというものは一般的だよね。だからこれは著作権の保護対象になりにくいし、訴えても負けるだろうね。
(参考事例 スピードラーニング事件)
で、さらに微妙な範囲なのは……例えば映画ブログとかだと物語のあらすじでさ
主「あらすじだって確かに著作性があるけれど、でも内容は同じものを書いているわけだから、文章も同じようなものになりがちじゃない?
どこかの会社が挙げたものを、そのままコピペしていたら著作権違反ってわかりやすいけれど、文章を改変していた場合、どうやって著作権違反と証明するかが難しい。
結局は文章そのもの……文体には著作性がないので、思想性とかの問題になるから……あらすじなどの場合、どこまでがOKでどこからがOUTなのかは、かなり揉めやすいよね。ましてやAIの場合は、文章をインプットして、それを改変してアウトプットするわけだから、証明がかなり難しい」
結論を言うと、文章の著作権を問うのは簡単ではないってことだね
だから自分はAIの登場で”文章だけ”で表現をしていくのは諦めたんだよねぇ
絵と著作権侵害を問う難しさ
じゃあ、次は絵と著作権だけれど……
例えば、今使っているカエルの自画像があるじゃん
カエル「あ、今、この吹き出しの前のやつね」
主「そうそう。それってさ、何を隠そう、このワタクシめが自分で描いたんですよ、全部。
今はメインサイトの方はプロにお願いしたからそっちにしたけれど、日常はなんだか懐かしいから残している。
じゃあ……万が一、これがサンリオの『けろけろけろっぴ』に似ていると訴えられたらどうなると思う?」
……比べるのも失礼な話では?
まあ、でも要素は似ているよね
主「カエルくんの自画像を書くときに、参考にしたのはけろけろけろっぴではなくて、フリー素材だったんだよね。
カエルという生物のイラストの特徴は目の位置だと思っていて、他の動物だと顔の上、耳に当たる部分に目がある。そして顔の中でも頬などの膨らみが大きくて……例えば人間だと大きな丸を描いて、その中にパーツを書くけれど、カエルの場合は大きな丸の上に2つ小さな丸(目)を描くのが一般的だった。
実際、そうしたらカエルにとてもよく見えた。
さて、これでサンリオに訴えられたら、ワタクシは負けるでしょうか?」
……どうだろう、多分勝てるんじゃないかな?
自分でもそう思うかな
カエル「絵そのものは……なんていうか、うちが下手だから比べるのも難しいけれど……要素を抜き出せば似ていると言えなくもないものの、よくあるカエルのイラストだよね」
主「そうだね。
有名なところでは『ミッフィー・キャシー事件』があって、この両者は著作権侵害に当たるか否か、と言う法律的な争いがあった」
これは東日本大震災を機会に和解したので、法的な決着はつかなかった
カエル「これは……本当に判断は人によるよね」
主「似ているか似ていないかってのは、本当に難しいんだよ。特にシンプルなデザインほど難しい。
最近だとポケモンとパルワールドが騒がれたけれど、あれも裁判になったら微妙なところだったかもね。
パクリと似てるはかなり差がある。
著作権侵害を証明するのはハードルが高い部分もある」
『物語る亀』と著作権
それでいうと、うちも著作権的には危ういところにいるよね…
割と目をつけられているからなぁ
カエル「言い方! 注目していただいていると言いなさい!
まあ、でも、怒られる可能性が0かというと、そんなことはないわけで……」
主「基本的には問題ない範囲で運営しているという自負はあるよ。ちゃんと作品の……一応名目は感想と言っているけれど、内容は批評だしさ。批評は明確に著作権侵害に当たらない。
単純なネタばらしは嫌いだからしないし、ネタバレパートも内容をバラすのが主目的と言うよりは演出意図などを中心に、自分の感想や批評……つまり思想を語るようにしている。主従の関係だって、明確にうちの文章が主だし……うちは文章が長すぎると言う自覚があるほど。
引用する際は、昔はちゃんとしてなかったところもあるけれど、最近はサイトのURLも乗っけて、わかりやすくしている。
文章に関しては製作サイドの方に怒られることはあっても、訴えられても勝てると思ってはいる」
ブログと画像問題
問題は画像だよね
ここは映画に限らず、エンタメサイトにとって悩みどころだよね
カエル「もちろん、画像にも著作権はあり、引用条件を満たしていれば問題ありませんが……割と昔から、著作権および肖像権の問題があるので危ういというのが、ブロガーの中では言われています」
主「今はYouTuberでも普通にアップしている場合もあるけれど、かなり危ない橋なんだよね。
で、うちのブログを見てくれている方は気がついている人もいると思いますが、公式サイトからのビジュアルなどを貼る場合もありますが、多いのはAmazonなどの商品画像ですね。
商品画像を貼るのはアフィリエイト目的というのも0ではないですが、どちらかというと著作権を意識したもので……商品画像のリンクを貼ることで、著作権違反となることは基本的にあり得ないという判断でもあります」
実際のところは怒られたことはあるの?
一度もないよ
主「もちろん、無視されている、気が付かれていない部分もあるけれど……うちを訴えるメリットがあんまりないんじゃないかな。
なんならもっと悪質なまとめブログとかもいくらでもあるし。
ただ、だからと言って問題なしではない、と言われたらそれはその通り。
結局著作権法って親告罪だから、そこに甘えているだけと言われたら……まあ、そうだよなぁとしかいえない」
後編の『AIと著作権』はこちらです
monogatarukame-sub.hatenablog.jp