物語る亀の日常

井中カエルが日常のことについて適当に喋るブログ

映像クリエイターが儲けるための素人案〜映像クリエイターが儲からない構造的な問題点③〜

この記事は後編になります

 

以前の記事はこちら!

 

 

monogatarukame-sub.hatenablog.jp

monogatarukame-sub.hatenablog.jp

 

 

 

 

映像クリエイターが稼げる業界にするための改善案

 

3つの改善方法

 

じゃあ、ここまでの流れを踏まえて、どのようにしたら映像クリエイターが儲かる仕組みになるのかを考えていきましょうか

 

大きくはこの3点ってことになる

 

 

  • 権利を持つ
  • 制作コストを下げる
  • 制作費を増やす

 

取り立てて珍しい、魔法のような意見ではないはずだ

 

カエル「権利がないから弱い立場なのであれば、権利を持つ。

 制作コストを下げることで余裕を生み出す。

 そもそもの制作で受け取る費用を上げる行動をするってことだね

 

主「ここまで語ってきておいて、この結論かよって言われそうだけれどね……

 でも大筋ではこの動きをしなければ、解決しないと考えている。

 あとは具体的にどのような行動をするか、ということだね」

 

制作会社の場合

 

権利を持つ行動を行うアニメスタジオ

 

まずは制作会社の場合を考えていこうか

 

権利を持つ、ということがとても大切なんだね

 

カエル「つまり元請け・下請けの制作会社から、製作会社になるってことだね」

 

主「構造的に権利が持てないから儲からないのであれば、権利を持ちましょうという単純な話だ。

 代表的なスタジオが、ufotableMAPPAだろう。

 製作委員会に積極的に参加したり、MAPPAは100%出資したことも話題になったこともあるね。

 ufotable鬼滅の刃の製作委員会に入っているので、制作スタジオでもあるけれど、きちんとお金が入るようになっている」

 

toyokeizai.net

 

製作スタジオになるという選択をしたんだね

 

これが1番の解決策だろうね

 

カエル「ただ、これだとリスクはあるんでしょ?

 

主「いや、そもそも資本主義経済ってそういうものだから……資本主義経済を否定するならばそれでも良いけれど、ただお金がないという資本主義の問題点を語っているのだから、リスクを積極的に取るべきだ。

 出資することによってより大きなリターンを得るという行動をとるスタジオが出てきたというのは、1つの形として良いことだろう。

 MAPPAはクリエイターの待遇面で賛否が分かれるが、ビジネスでは最も面白い試みをしているスタジオだろう」

 

あとは京アニのように”原作権”を得るというのも1つの戦い方だ

 

カエル「京アニ京都アニメーション大賞を創設することで、数々の小説作品を映像化してきました」

 

主「あのような悲劇を生む原因になってしまったが、ビジネス上の試みとしては自身が映像化したい作品を選ぶことができるし、原作が売れればレーベルとしてビジネスができるという構図を獲得した。

 京アニは大胆に原作をアレンジすることでも有名だけれど、それができる理由の1つにもなるだろう。原作者と直接話して許可が出れば、出版社が自身なので調整する必要が無くなるからね」

 

制作コストを下げる

 

これは制作会社の場合はどうなるの?

 

直接的にコストを下げるわけではないが、長期的な視野にたてば教育もその1つになりうる

 

カエル「教育?」

 

主「若い人材を教育することは、長期的に見ればコスト削減に繋がりうる試みではないか。どういうことかというと、作品にとって必要な人材をその都度ごとに確保すると、中にはそのジャンルが苦手とか、単純に技量が足りてないなどもある。

 しかし教育にコストをかけることで、短期的には色々な問題があるかも知れないが、長期では安定的に技量のわかる労働力を確保することができる。すると技量が足りない人の仕事のカバーなどが少なくなったり、制作サイド……つまり制作進行などの仕事が減るということになるのではないか

 

新人教育をすることで、短期的にはコストが増えたとしても、長期的にはその人が戦力になればコストダウンになるんだね

 

あとは一般的にはDXやAIの活用がある

 

主「アニメはDXが進んでいる印象があって、昔は筆で色を塗ったり、撮影台に載せて撮影してきたけれど、今や仕上げ・撮影工程はデジタル化がなされている。これで効率が良くなり、しかも急激にできることが増えてクオリティも上がっているので、間違いなくDX化が達成された例だよね。

 社内規模でもデジタルの機器やソフトを統一化したり、DX化をさらに進める事で、効率化がなされたり細かいところでは制作進行が原画など素材をとりに行く時間・労力・お金のコストを下げることにも繋がる。

 あとは今はAIの活用で、人手や作業時間を減らす方向が急拡大しているから……これはまだ映像クリエイター業界にどこまで波及するかは未知数ではあるけれど、可能性はある」

 

コストカットは根本的な解決にはならない

 

なるほど、こういうのもコスト削減、効率化の流れなんだね

 

ただし、問題としてはどれほどやってもコストは0にならないということだ

 

主「デフレの時の日本社会と一緒で、コストカットはとても早く結果が出る場合がある。だけれど、どれほどやってもコストが0になることはない。

 節約大好きな国民性で、節約はすぐに結果が出るから好きな人も多いけれど、個人的には無駄とまでは言わないが、根本的な解決にはならないと考えている。

 極端なことを言えば売上が変わらないでコストが0になることと、コストそのままで売上が2倍になることはトータルで見たら同じなんだよ」

 

この式の通りになるということだね

 

売上100ーコスト0=純利益100

売上200ーコスト100=純利益100

 

どちらも純利益を100確保できているのは同じで、長期的には売上を増やすのが1番いい

 

主「一般家計もそうだけれどどれだけ節約しても限度はあるように、コストを節約して下げても限度はある。

 それならば、もともとの売上、入るお金を増やすという試みをする方が、効果は高い。

 コストを0にすることはできないが、売上を2倍にすること……なんならば10倍にすることだって可能なわけだから、純利益を増やすならば基本は売り上げを伸ばすことが1番大事だ。

 そのために、次の項目がより大事になる」

 

制作費を増やす

 

これができたら苦労しないよ、ということなのかな?

 

最も単純かつ、多くの人が思い浮かぶ方法だろう

 

カエル「これは……直接交渉したり、あるいはもっと稼げるところへと移行するということかな?」

 

主「一般的な中小企業も同じような構図だとは思うが、制作費が安い……収入が低いと感じたら、その仕事を辞めてもっと良い仕事に行くというのが大切だ。

 Netflixが登場した時に、海外は制作費が段違いだと言われていたから黒船と呼ばれていたけれど、ではそれだけの制作費を出す製作会社と組めば良いということになる」

 

それができたら苦労はしないって話なのかも知れないけれどね…

 

結局は、ここは交渉になるからね

 

カエル「もちろん、仕事を失うリスクもあるよね……?」

 

主「そうだね、だから多くの中小企業が賃上げに踏み切れない。顧客である大企業が賃上げを嫌がって、仕事を取り上げるかも知れないから。

 ただ、一方で映像業界、特にアニメ業界は空前の人材不足だときく。特にブランド価値を持つスタジオは、その需要も鰻登りだ。

 と考えると、交渉の余地はあると、部外者の自分は思ってしまうかな」

 

ここまでのまとめ

 

そうなると、順番としてはどれを進めるのがいいの?

 

個人的には 権利を持つ→制作費を上げる→制作コストを下げる という順番に進めるべきだと思う

 

主「もちろん、この3つを同じ時間軸で行うことだって可能だけれど……結局は権利者が1番強いのだから、権利を持つのが1番。

 ただし誰でもできるとは思わないし、制作費を上げる行動をするのが2つ目。最後は……よりジリ貧になる可能性もあるけれど、やはり制作コストを下げる努力をするということだ。

 制作コストを下げるのも長期的に見たら下がるけれど、短期的には……機材導入・教育コストなど、むしろコスト増になるところもあるから、本当に体力がないところは難しいかもね」

 

個人クリエイターの場合

 

権利を持つ行動……井中カエルの場合

 

次に、個人クリエイターの場合の例を挙げていきましょう

 

これも色々あるけれど、1つは自分を例にしよう

 

カエル「うちがクリエイターかどうか、というのは置いといて、ライター業も雇われで賃金が上がらないとキツイ、というのは映像関係のクリエイターと同じ状況だという話だね」

 

主「権利を持つ行動というのは、今やっている行動。

 つまりブログを書くということだ」

 

……ブログを書く?

 

あくまでも一例だけれどね

 

主「重要なのは権利を持つこと、収入が入り続ける構造を持つことだ。

 ライター業は基本的に出版社・出版媒体との交渉になる。ここは会社によって提示される報酬もバラバラで、相場もあるんだろうけれど、個人ではなんとなくの相場感覚も掴むのも難しい。

 交渉しようと思っても、ライターの場合、替えはいくらでもいるから『賃金上昇? 無理です』と言われておしまいの可能性がある。

 ちなみに言うと、自分も経済の原理原則として『交渉して上げるべきだ』と強く主張するけれど、賃金交渉が苦手。だから、もういっそのこと賃金交渉は辞めて、自分の権利を持てる媒体……つまりブログを育てることにした

 別に外部記事を書かないと決めたわけではないけれど、お声がけされない限りは積極的にこちらから新しい仕事をとりに行くことはしないです」

 

4つのスタイル全てを経験して思うこと

 

えっと……ブログってそんなに稼げるの?

 

いや、全然稼げないよ

 

カエル「まあ、そうだよね。

 確かに一部では『ブログで稼ごう!』という話もあるけれど、じゃあそれだけで食べていけている人はどれだけいるのかって話でもあるわけだしね……」

 

主「自分は、結果的に4つの分類の全ての形態を経験しているんだ」

 

 

  • E:Employee(労働者) → 企業の正社員
  • S:Self employee(自営業者) → ライター
  • B:Business owner(ビジネスオーナー) → ブログ運営
  • I:Investor(投資家) →  株式などの投資

 

 

その経験からすると、どれも長短はあるよ

 

カエル「えっと……ビジネスオーナーに該当するブログって稼げないんだよね?

 でも、それに力を入れることは可能なの?」

 

主「普通は可能ではない。

 何度も言うように、労働者が収入は一番安定する。ただし、悪いこと低くて搾取するようになったら、悪いまま安定してしまう。

 そしてブログ運営などのビジネスオーナーは、赤字の時はとことん赤字だから……それで生活していくのは、簡単じゃないよ」

 

それでも、権利を持つのが大事だと

 

それが大きくなれば1番稼げるのも事実だからね

 

主「実際、2023年はほとんどブログを更新できなかったけれど、それでもお金はお小遣いレベルだとしても入ってきているから、権利ってそれだけ強いんだよ。

 自分がそれに注力できそうなのは、投資がうまくいっているからで、実は気持ち的に合うのは投資家。ただし、資本が一定以上ないと意味がないし、やはりお金を失う恐怖はあるだろうから万人向けではない。

 自分はお金が減ってもゲームのポイントがなくなる、単なる数字の話、くらいの感覚だから冷静でいられるので向いているってだけだからね」

 

映像クリエイターだと権利を持つってどう言うこと?

 

原画集など、出版関連が1番過去実績があるだろうけれど、明日にもできるとなると、やはりYouTubeになるのかな

 

カエル「YouTubeで作品を発表するの?

 そんな時間、ないだろうけれど……」

 

主「時間がないなら、作るのも1つだよね。

 今は漫画家やイラストレイターがVtuberデビューしているけれど、それも1つの権利を獲得する方法。そこで話題になれば、仕事も増えるだろうしね。

 自分メディアを作るということ、そしてその権利を確保して発展させていくのが大事なんだ。

 同人誌は…権利関係があやふやなのと、先が続きにくいのが難点かな。

 他の要素から収入を左右されない……そのために権利を持つのが大切なんだ」

 

制作コストを下げる(個人ではほぼ節約)

 

次に制作コストを下げると言うことだけれど……

 

これは個人だと、単なる節約の話になるから、割愛しよう

 

貰える額を増やす努力をする

 

そして制作費を上げる努力をすると言うことだけれど……

 

ここは、3つの方法が思い浮かぶ

 

 

  • 集団で団結して労働交渉
  • 海外進出
  • 個人で交渉

 

 

団体交渉

 

まずは労働交渉なんだね……

 

労働者の権利向上のためには、最も重要なのがこの集団の労働交渉で、大企業が賃金を上げていくのも労働組合があるからだ。

 

主「ストライキがなければ、労働者の権利は弱いままだから、これを行わなければ何も変わらない」

 

カエル「……でも、そんな簡単な話じゃないよね?」

 

主「そうだね、実際自分も労働組合に入っているけれど、入るだけで何かが変わる実感なんてないし、活動が活発化するときは相当な危機がある時だからね。もちろん組合の幹部は動いてくれているけれど、一般の組合員はわからないし、待遇改善の裏に組合が頑張ってくれたことを、思いもしないもの。

 だけれど、こういう団体交渉なしで、会社の善意や政府・自治体の支援で改善なんて望む方がおかしいと自分は感じてしまうかな

 

海外進出

 

次が海外進出ということだけれど……

 

これは今の一般の若者でも見られる現象だね

 

カエル「え、でもさ、力のある映像技術者が海外に行ったら、日本のアニメの国力が下がるんじゃないの?」

 

主「そんなの、知ったこっちゃない!

 クリエイターの我慢の上に保たれる高品質さなんて、何の意味もないんだよ。

 ちゃんと業界が潤って、その上で制作費が上がって、個人にも恩恵が来るようにしないといけない。

 そのためには会社にも危機感を持たせなければないけれど、ダンピング(不当な価格の横行)が行われているならば、そのダンピングが効かない場所、つまり海外へ行くべきだ」

 

今やアニメのクリエイターは世界中で引く手数多と聞くからね…

 

それこそ、大谷翔平だよ

 

主「大谷をはじめ、野球界、そしてサッカーなどのスタープレイヤーも海外に行くけれど、やはりお金が払われるのも大きいだろう。

 プロレスのオカダカズチカが意識が高くて、アメリカで年俸6億円の3年契約を結んだと発表していた。プロレスは相場がわからないけれど、流石に6億円は難しいのだろう。

 日本で稼げないトッププロならば、海外で稼ぐ!

 これは大事なことなのではないだろうか」

 

あとは個人の交渉ということだけれど……

 

ここも特段語ることはないので、割愛になります……それができれば、多分金銭で悩まないでしょうし

 

クリエイターは正社員と非正規雇用のどちらを選ぶのか?

 

そしてこの項目へと行く、と

 

結局さ、クリエイターは自分達の業界がどうなって欲しいんだろうね

 

カエル「業界のあるべき形、ねぇ」

 

主「よく『儲からない』という文句は聞くんだけれど、じゃあどうして欲しいんだろう? って思う。

 正社員になるとしてもさ、正社員って成果報酬とかないから、気楽かもしれないけれど、業界の超一流でも貰える額って大したことないことにならないかもしれない。

 一方で非正規雇用だと安定はないけれど、トップ層はめっちゃ貰えるかもしれない」

 

極端なことを言えば、トップクリエイターは年収1億とか行ってもいいんじゃないの? って思うよ

 

カエル「……また極端なことを言い出したなぁ」

 

主「でもさ、トップ層のクリエイターが参加するか否かで、作品のクオリティは全く違うものになる。で、そういう人を欲しがる会社はいくらでもあるんだったら、1億出しても拘束して作品を作ってもらいたい、という業界になってもいいんじゃないのか。

 前にも語ったけれど、デフレ経済の中で賃金インフレに成功したのは、プロ野球界だ。そしてトップ層は奥越えだけれど、同時に育成枠は240万円という超格差になったけれど、そういうものだとして、納得されている。

 

ホリエモンが言っていたけれど大谷翔平アメリカに行って悔しくないのか』は、確かにその通りだと思う

 

主「結局、日本はそこまで金額を出すことができないとなめられているということもできるからね。本来は大谷がアメリカにいき、トラウトが日本に来るくらいのスケール感が求められているのではないか。

 クリエイター業界がそこまで行くことがいいかは外部がいうことではないが、どちらかを選択する必要は、いつか出てくるような気はするけれどね」

 

最後に〜この記事なんの意味があるのか〜

 

めっちゃ長い記事なったけれど、ここで終了になります

 

この記事に意味ってあるのかなぁ

 

カエル「業界に全く知らない人の、勝手な意見だもんね」

 

主「自分がここで語ったのは、全部机上の空論だよ。

 で、実際は経済が理論通りになることは少ない。

 なぜならば、ビジネスとは人と人が行うことであり、感情が絡み合う。

 だから……誰もが理論的な最適解を選択できないし、だからこそ経済論なんて意味がないと言われるわけだ」

 

実際、自分が業界の人でこの記事を読んだら『何もわからんくせに』って思うはずだよ

 

カエル「そう思われることはわかっているんだ」

 

主「でも、理論を意識しているか否かは大事だと思うんだよね……

 そういう行動を感情的に取れないとしても、こういう意見があることは知っておいた方が、いいのではないだろうか?

 いいのかなぁ……もう、わからんけれど、まあいいか」