この記事はこちらの記事の後編になります
monogatarukame-sub.hatenablog.jp
インフレ時代を生き残るために
理論的にはそこまで間違いじゃないはずの竹中平蔵
その時代で日本をダメにした張本人とされているのが竹中平蔵だよね
理論的には正しかったと思うよ
カエル「竹中平蔵って『規制緩和、民営化、市場の自由化を強力に推進し、より競争的で効率的な経済システムの構築を目指しました』とChatGPTくんは教えてくれたけれど、規制緩和をやりまくって、それで日本を貧しくしたという張本人と言われているよね?」
主「どのような評価をするのかは個々人によるけれど、理論としては正しいと思う。つまり規制を緩和して、民営化して競争させれば、自然といいサービスは生まれ、そのために経済は活性化し、市場が効率的に運用されるはずだ、とね。自分も今は同じことを思う。
だって、野球界だってFA制度を導入して自由に移籍できるようにしたのも、年俸上昇の一因でしょ?
これは明確な雇用の流動化だ。オンリーワンでナンバーワンの才能は高い金額がつく。
だけれど……これは完全に結果論だけれど、竹中平蔵の失敗は”日本が異常なまでにデフレマインド”だったこと」
つまり”安いものは正義””質素倹約こそ正義”というマインドになった日本社会で、競争自由化をしたらどうなるのか?
……安売り合戦になる?
主「そう。
だから正社員は契約社員になり、非正規になり、安い労働力になった。それが足りなくなったら教育実習生として、実質的な移民政策を始めた。
そして本来は自由で流動する雇用で成長産業に向かうはずの人材は、安い労働力として消費させれられた。企業も投資をしない、人材育成をしないからいつまでもスキルを身につけられず、人を正社員で雇わないから安い人材は安いままとなった」
……最悪じゃん
そうだね、最悪の結果になったんだよ
主「本来は競争自由化によって、より投資を促し、いいサービスや物を生み出し、優秀な人材を求めて賃金が上がるはずだった。でも日本社会はデフレマインドと質素倹約精神で、コストカットとリストラの嵐が吹き荒れて、高給取りを切り、当時の若者を安い労働力としてこきつかった。
消費者……お客さんは嬉しいよ、安いから。
でも結果として、その安さは誰かの犠牲の上に成り立つ。
しかし同時に、その安さがあるから日本の企業は大中小問わず、なんとか成立してきたとも言えるのかもしれない……果たしてそれが良かったのかは、全くわからないけれどね」
インフレにならなかった国
本当は野球選手のような競争によるインフレと好景気を生みたかったんだ
必要な才能にはお金を出して確保して、より強い企業に成長するはずだからね
カエル「『だけど、そうはならなかった……ならなかったんだよ、ロック』ってこと?」
主「だから理論通りには経済はいかないってことだよね。
例えばさ……アニメ業界ってそうじゃない?
作品数が増加する、なのに特殊技能だからアニメーターをはじめとした作り手は限定される、しかも個人事業主が多くて仕事を選べる立場で、有名クリエイターとなれば知名度も増す。理論的には賃金が上がる状態だろう。
これほどの状態なのに、低賃金が問題になる。
理論的にはこんなのあり得ないよ。だって一流野球選手は年俸1億積んでも来てほしいでしょうし、5年契約合計20億円、30億円とかだってあるじゃない?
同じように作品やスタジオに拘束して
『5年10億出すよ』
『うちは7年契約にする代わりに単年は少し安くて12億で来てください』
『うちはそこまで出せないけれど好きな作品を作れるとか条件を出しますよ』ってなるはずじゃない?」
でも、そうはなっていないんだよね?
その理由はいくらでもあるんだけれど……アニメスタジオが基本は下請け企業で、アニメーターなどはさらにその外部の個人事業主という立場なのもある
主「まあ、簡単にいっちゃえばアニメ業界に関しては構造が稼げるようになっていないんだよねぇ。
その話は別の機会に語るとして、経済は理論通りにならない。
そんな感じで『日本製品は品質がいい』というのを企業の命題として、良い物を安く売るということを行い、それがいつの間にか消費者マインドとしても普通になった。
その結果が今で……海外から見たら『日本は質がいいのに安いよね』という状況になり、大量のインバウンドを産んだ。
それを誇りと思うか、屈辱に思うかは人それぞれだよね」
国や政府でも操作が難しい経済
……なんか、皮肉な結果だね
だから日本にこびりついたデフレマインドって、相当厄介なんだよ
主「日本を経済的にダメにしたのは自民党だ、竹中平蔵だ、いや民主党だって意見があるけれどさ……いくら国や政府、あるいは大臣や高官だからって、そんな個人の行動で簡単に変わるもんじゃないよ。
経済って超複雑だから、それこそ『風が吹けば桶屋が儲かる』の領域。90年代の自民党がミスったとか、政権取った時の民主党がミスったとか、色々な意見があるけれど全部結果論になんじゃないか、とも思う。
自分が語っているのだって、全部結果論だ。
まあ、政治なんて結果が全てと言われりゃその通りなんだけれどね」
もちろん、政治に対しては色々なスタンスがあるだろうけれど、いくら国や政府だからって経済を自由にできるわけではない
主「本当に国が経済を操作できるならば、強権的な国……中国とか、ロシアとか、北朝鮮とかは経済が超強いはずじゃない?
でも実際はそうなっていない。
バブル直後の90年代なんて誰が政治をやっても経済を立て直せるほど浅い傷じゃないだろうし、リーマンショック後で世界的な大不況と東日本大震災があった民主党政権も状況が悪すぎる。
それこそ……この人も賛否あるけれど成田悠輔が語っていた『個人でどうにかできるわけないじゃないですか』っていうのが、個人的にはしっくりくる。
アベノミクスも一定の効果はあったと思うけれど、それを第一次安倍政権の時にやっても同じ効果になるとは限らない。第二次安倍内閣の時って、アメリカ株も絶好調でそれに併せてのびた一面だってあるからね。
染みついた日本国民のデフレマインドってものが、徹底的にあって、それがこびりついたんだよ」
そして、新しい時代へ
デフレが終わり、インフレという新たな地獄が幕をあける
……え、いきなり物騒なこと書いているけれど?
デフレ社会は明確に終わりを迎える
カエル「でもさ、日本社会が本当に景気が良くなっているわけではないという意見もあるよね?」
主「そんなの、関係ないよ。
コストプッシュインフレだろうが、日本が好循環を生み出していなからろうが、値上げの波はきた。そして企業は次々と値上げをして、そして春闘では過去最高の賃上げ実現というニュースが山ほど出ている。
むしろ日本みたいに安いが命の社会には、コストプッシュがとても効果的だった。若い人材は減る、物の値段は上がる、じゃあ値上げしよう、便乗で値上げだってなるからね。
みんなが待ち望んだデフレの終焉は、もうすぐそこだよ」
……え、とても良いこと、なの?
……それは、本当に人による
カエル「人による?」
主「一般論で言えば、デフレってまだマシなんだよ。国家全体では緩やかに衰退はしていくけれど、今まで持っていたお金の価値が上がるから、貧富の差はつきづらい。
例えば大根が100円だったとして、半年後には90円になっているかもしれない。もやしは1円で売られるかもしれない。そうなると給料が変わらなければ、むしろ明日のほうが安くなるし、生活は安泰だ。
でも……インフレは、その真逆。
大根が明日には105円になり、半年後には120円になり、1年後には150円になる。もやしは50円になるだろう。そして値下げはしない。
だから、給料が上がらない人はどうなる?」
……買えるものが少なくなる
だから貧富の差は広がる
カエル「え、じゃあ、やばいじゃん?」
主「だからインフレって実はやばいって話になるんだよ。
インフレですってニュースに対して『ほえー、インフレかぁ』と思っていたら、気がついたら大変なことになる。
これは今までのゲームが一変する、ルールが180度変わったことを意味するわけだ」
デフレのルール、インフレのルール
ルールが変わる……?
多くの日本人に染みついたデフレのルールから脱却する必要性が出てきた
カエル「えっと、そのルールって、賢い行動として、前回の記事で上がっていたことだよね?
デフレはお金の価値が物の価値よりも高いんだから……えっと、こういうこと?」
デフレのルール
- 借金はしてはならない
- お金を守る行動をする(節約など)
- 大きな買い物はしない
- 株や不動産など投資行動は慎重に
とにかく節約、節制だ
主「昨日より今日、今日より明日にお金の価値が上がるのだから、基本的にお金を使ってはいけない。
借金なんてもってのほか……といっても、デフレ経済は金利が下げられる傾向にあるから、実際は借りてもいいんだけれどね。
同じ金利だと仮定したら、デフレで借金するのは得策ではない。
株や不動産も金銭的な価値が下がる傾向にあるので、より慎重になる必要がある」
インフレのルールはその真逆になる
インフレのルール
- 借金を積極的に行う
- お金を増やす行動をする
- 大きな買い物は積極的に
- 株や不動産などの投資行動を積極的に
いや、これはメチャクチャでしょ!?
だから、そのメチャクチャな時代が来るんだよ
カエル「ゲームチェンジだからって、ここまで変化するの?」
主「理論的にはする。
お金の価値は低くなる=物の値段が上がるのだから、とりあえず今のうちに買える分だけ買えと言う理論になる。
もちろん、借金をしても浪費をしてはいけない。
重要なのは『お金を産むシステム』を構築することだ。
それが株なのか不動産なのか、あるいはビジネスなのか、ブログなのかyoutubeなのかは問わない。つまり、お金そのものではなく、お金に換算できるもので、さらにお金も生み出すものを作り上げる。
とにかく固定給は上がり幅が小さいからやめて、借金して、何かに投資をする。
100万円借金をしても、その価値は年々減っていく。
もちろん、株や不動産もなんでもいいわけじゃないし、ビジネスもなんでもいいわけじゃない。借金だって金利があるけれど……今のゼロ金利時代ならば、最高の条件だから、積極的に借金をしていけ、という理論になる」
……こんなの、ほとんどの人が無理じゃない?
デフレからの思考の脱却って、相当大変なんだよ
主「自分でも無茶苦茶いっていると思うし、じゃあお前はできるのか? と言われたら、相当勇気がいる。
けれど、実際、日経平均は上がっているし、そうなってきている。
日本単体だと……それこそ天災とかはあるかもしれないけれど、でも大きなリスクは今のところあまりない……気がする。それこそ台湾をかけての戦争とか、韓国と北朝鮮が戦争を行うとかでなければ。
強いて言えばアメリカの株がもしもバブルの崩壊したら、その余波が日本に来ることだけれど、世界を見たら中国が絶賛バブル崩壊中、ロシアは論外、EUもインフレに苦しみ成長鈍化……インフレ万歳な国なんて、日本だけなんだよ。
あとは成長中のインドやベトナム、ブラジルとかも投資先としてはあるけれど、安定した投資先は日本が1番になる可能性がある。
そうなると……日経平均は5万円も10万円もありうるよね」
日経平均10万円時代の地獄
あれ、そうなると景気はよくなりそうだし、そこまで悪くないんじゃ……
……だから、それが地獄なんだよ
カエル「お金の価値が減っていく地獄……?」
主「個人的には年金問題だって解決すると思うよ。
ただし、それは最悪の方法によって。つまり社会保険料の支払いはインフレに従って増える、だけれど受け取る額は増えないから、少子高齢化でも対応できるという理屈。
いいかい、インフレ社会というのは、投資ができない貧乏な人がより貧乏になり、投資ができるお金持ちはよりお金持ちになるんだよ」
ここで1つ例え話をしよう
主「そうだなぁ、1900年くらい……今から120年ちょっと前に亡くなった、当時裕福だった親類の遺産が入った金庫が、現代で発見されたので相続人に譲渡されたとしよう。
お金に困っていたからその金庫を早速開けてみたら、中身は1万円だった。
今の貨幣価値は当時の3000倍というから、金庫の中には当時の価値で3000万円入っていたということになり、確かに裕福だったのはわかる。だけれど、現代の価値では1万円は……まあ、1日働ければ稼げるよね。
でもそれが金塊だったら、その相続人はウハウハだ。
株券だったら……その会社が存続していれば、かなりの額になるだろう。
ここまで極端じゃないかもしれないけれど、こんなことが起こるわけ」
重要なのは”お金を貯めろ”じゃないってこと
カエル「貯金じゃダメなんだね…」
主「だから”お金を生み出すシステム”を持てって話なんだよね。
もしくはモノの価値を守るモノ……金でもいいし、安定性はないけれど暗号通貨とか、なんならブランドバックとか、高級時計、ポケモンカードでもいい。
そしてそれを持てなかった人は、貯金の価値が減り続け、お金を稼ぐ手段が労働だけになるから、より厳しくなる。
インフレはデフレ以上に止めるのが難しい……それは今の世界を見れば、ヒイヒイいっているのがわかるでしょ?
そんな時代が、もうすぐ来るかもしれないってことは、考えておいた方がいいかもね」
まあ、与太話なんだけれどね……信じるも信じないも、あなた次第ってところかな